中小事業主の労災保険の特別加入:建設事業主への救済措置とは?

建設業における中小事業主の仕事中の事故。
通常は労災保険の特別加入をしている場合は労働者災害補償保険の給付で救われる。

しかしながら、このような声が、耳に入ったことはないだろうか?

「就業時間中、業務での負傷したけど会社で業績が悪く労働保険事務組合の
委託数料が払えないから特別加入をしていなかった。。」

んー困りましたね。
でも、はたして、このようなケースでは救済措置は、本当にないのでしょうか?

あなたの仲間、友人、同僚が、同じように困っていたら、間違いなく救いたくなるでしょう。

そこで、今回は、そんなあなたと、救済方法を考察していきます。

労災保険に特別加入をしていない、中小事業主を救済する

救済措置について、最初に考えるのは、事業主が自営業等で国民健康保険に加入してるのか、
それとも法人で社会保険の加入しているかを確認いたします。

国民健康保険に加入している場合は、就業中の疾病、負傷に対して国民健康保険から保険給付が行われます。

また被保険者の数は5人未満である適用事業所に使用される法人の役員であって一般の労働者が従事する業務と
同一である業務を遂行している場合は
その業務に起因する疾病、負傷もしくは 死亡に対して健康保険から保険給付が行われる。

決して特別加入をしていないからといって、救済措置を確認し最後まであきらめないでほしい。

健康保険法の第1条(目的規定)の改正が行われたがその改正趣旨はどのようなものか。

かつて被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合や、被扶養者が請負業務や
インターンシップ中に負傷した場合など、健康保険と労災保険のどちらの給付も受けられないケースがあった。

したがって、こうしたケースに適切に対応するため、広く医療を保障する観点から、
労災保険の給付が受けられない場合には、原則として健康保険の給付が受けられることとするものだ。

新設された健康保険法第53条の2、その正体は?

新設された健康保険法第53条の2、その正体は?

あなたと考察していこう。

被保険者又はその被扶養者が法人の役員である場合に、その法人の役員としての業務に起因する
負傷等が保険給付の対象外とされているが、その趣旨及び「法人の役員として業務」とは何を指すのか。

改正においては、原則として労災保険からの給付が受けられない場合は健康保険の給付を受けられることとした。
ただし、法人の役員の業務上の負傷については、使用者側の責めに帰すべきものであるため、労使折半の健康保険から
保険給付を行うことは適当でないと考えられる。

このため、被保険者等(※)が法人の役員である場合に、その法人の役員としての業務に起因する負傷等については、
原則として保険給付の対象外とすることとした。※ 被保険者のほか、被扶養者も含む。

「法人の役員としての業務」とは、法人の役員がその法人のために行う業務全般を指し、
特段その業務範囲を限定的に解釈するものではない。ここは注意してほしい。

なお、中小事業主等(※)については、労災保険に特別加入することによって、業務上に起因する負傷等に対し、
労災保険の給付を受けられる場合がある。

以下に定める数の労働者を常時使用する法人の代表者および役員など。

・金融業、保険業、不動産業、小売業:50人以下
・卸売業、サービス業:100人以下
・その他の業種:300人以下

労災保険の特別加入の手続きでの必要な申請書

さぁ、それでは、手続きで必要な書類だ。提出するもの、そして提出先は次のとおりだ。

提出するもの: 特別加入申請書(中小事業主等)
提出先   : 所轄の労働基準監督署長

特別加入申請書には、特別加入を希望する人の業務の具体的な内容、業務歴および希望する給付基礎日額などを記入する必要がある。この申請書は、労働保険事務組合を通じて提出すればいい。

ここで押さえておきたいのは、原則として、それぞれの事業ごとに加入する必要があることだ。

さらに原則として、事業主本人のほか家族従事者など労働者以外で業務に従事している人全員を包括して特別加入の申請を行う必要
がある。

とはいえ、例外として、病気療養中、高齢その他の事情により実態として事業に従事していない事業主は包括加入の対象から除くことは可能だ。

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